コラム

SNSアカウント立ち上げ手順|最初の30日と90日でやること・避けること

最終更新日 2026年9月4日(Fri)

記事作成日 2026年9月4日(Fri)

新規SNSアカウントを預かってからの最初の3ヶ月は、投稿を積む期間ではなく土台を作る期間です。セットアップ・コンセプト設計・運用フロー・改善PDCAを、この順で固めます。本記事では、最初の30日に何をやり、90日後から何を始めるのかを日程表で整理し、初期に手を出すべきでないことまでまとめました。開設したものの何のためにやっているのか分からなくなる、という状態を避けるための実務ガイドです。

目次

執筆:リデル株式会社 SNSマーケティングチーム
SNS・コミュニティマーケティング専門企業。上場企業を含む7,000社超の支援実績をもとに、
SNS運用・インフルエンサー施策の現場ナレッジを発信しています。

新規アカウント立ち上げの最初の3ヶ月は土台を作る期間

新規SNSアカウント立ち上げ 最初の3ヶ月でやることの順番

①開設・プロフィール・投稿の順番で進めると失敗する

新規アカウントを預かった直後、多くの現場が同じ順番で動きます。まずアカウントを開設し、プロフィールを整え、投稿を始める。そして3ヶ月後、何のためにやっていたのかを誰も答えられなくなる。順番が逆です。

新規アカウントを預かってからの最初の3ヶ月は、投稿を積む期間ではなく土台を作る期間です。セットアップ・コンセプト設計・運用フロー・改善PDCAを、この順で固めます。投稿を始めるのはこの順番の途中であって、最初ではありません。

この期間に手を出すべきでないものが2つあります。一気に全SNSを立ち上げることと、アカウントを個人担当者に紐づけることです。前者は運用が回らない体制で複数立ち上げても意味がなく、更新が疎か・低クオリティだと企業ブランドのマイナスになります。後者は退職時にアカウントそのものを失います。

②3ヶ月の日程表|何日目に何をやるか

この期間の作業は順序に意味があります。前の工程が終わらないうちに次へ行くと、あとで全部やり直しになります。完了の判定まで含めて、次の表のとおりに進めてください。

時期 やること 完了の判定
最初の30日 ① 目的整理。SNSで叶えたいことを整理し、Instagram・X・YouTube・LINEなど何から始めるかを検討する 始める媒体が1つに決まっている
最初の30日 ② アカウントを会社の資産として管理する体制を作る(最重要) 個人に紐づけず会社全体で管理する体制ができ、アドレス・パスワード・電話番号が記録されている
最初の30日 ③ コンセプト・ターゲット・発信内容を定める このアカウントは何を目指し何をやりたいのか、目的の共通認識を関係者全員が持っている
30日〜90日 運用フローを回し、投稿データを溜める 企画〜制作〜投稿のフローが回っている
90日後 改善PDCAを回し始める。3ヶ月分の投稿インサイトをすべて並べる 上位3〜5位の投稿の共通項が抽出され、次のコンテンツへ反映されている

最初の30日は3つの作業に分かれます。30日〜90日は運用フローを回して投稿データを溜める期間で、90日後に初めて改善PDCAが始まります。

③この3ヶ月でやることは4領域に整理できる

30日・90日の作業を領域で整理し直すと4つになります。抜けがないかは、この表で確認してください。

領域 内容
① セットアップ 基本情報・会社管理体制(個人紐づけ禁止)
② 設計 世界観・コンセプト・ターゲットの設定と共通認識
③ 運用フロー 企画〜制作〜投稿のフロー作り
④ 改善PDCA 上位投稿の共通項分析 → 次コンテンツへ反映

立ち上げは欲張らずミニマムから始めます。体制が整ってから媒体・本数を拡大してください。逆順にすると、更新が疎かになり低クオリティ化して、企業ブランドのマイナスになります。

最初の30日にやること①目的整理と1媒体から始める理由

①SNSで叶えたいことを整理し、始める媒体を1つ決める

まずSNSで叶えたいことを整理します。Instagram・X・YouTube・LINEなど、何から始めるかを検討します。ここで媒体を絞れるかどうかが、以降3ヶ月の成否を分けます。

叶えたいことを言語化しないまま媒体だけ決めると、3ヶ月後に評価ができません。目的が決まれば、あとで見る指標も、選ぶフォーマットも自動的に決まります。逆に目的が曖昧なままだと、数字が動いても良し悪しを判断できません。

②一気に全SNSを立ち上げない

立ち上げ時にやりがちなのが、複数の媒体を同時に開設することです。運用が回らない体制で複数立ち上げても意味がありません。更新が疎かになり、低クオリティな状態が並ぶと、認知を取るどころか企業ブランドのマイナスになります。

リソースや運用体制が固まっていない場合は、まず1媒体から立ち上げ、目的・ターゲットに合わせて拡充します。媒体の数は成果の量ではありません。

③複数を同時に立ち上げてよい条件

複数媒体を同時に立ち上げていいのは、運用が回る体制がすでにある場合だけです。体制が固まっていない状態での複数立ち上げは、認知獲得ではなくブランド毀損になります。

1媒体で企画〜制作〜投稿のフローが回り、更新が止まらない状態を確認してから2媒体目に進んでください。運用の型ができていれば横展開は速く、できていなければ何媒体あっても結果は同じです。少人数で回す前提の運用設計はSNS運用を週1時間で回す方法もあわせて参考にしてください。

最初の30日にやること②アカウントを会社の資産として管理する

個人紐づけと会社管理の違い|アカウントを資産として守る

①個人のメールアドレス・携帯番号を紐づけない

立ち上げ時に最もやってはいけないのが、個人担当者のメールアドレスや携帯番号を紐づけることです。退職時に引き継ぎが漏れると、ロック時の2段階認証やパスワード変更メールが届かず、アカウント(=資産)を失います。

プラットフォームに問い合わせても復活する見込みは持たない方がよい、という前提で管理してください。設計をどれだけ丁寧にやっても、アカウントを失えばゼロになります。

②会社管理に切り替えるときの4つの論点

紐づけ先・電話番号・記録・復旧前提の4点を、次のように決めます。

論点 やってはいけない やるべきこと
紐づけ先 個人担当者のメールアドレス 個人に紐づけず、会社全体で管理する体制を作る
電話番号 個人の携帯番号 会社管理の番号
記録 どこにも残さない どのアドレス・パスワード・電話番号で運用しているかを記録しておく
復旧前提 プラットフォームへの問い合わせで戻ると考える 復活する見込みは持たない前提で管理する

すでに個人メールで作ってしまっている場合も、会社全体で管理する体制へ切り替え、どのアドレス・パスワード・電話番号で運用しているかを記録します。放置したままにしないでください。

③この項目だけはコンセプト設計より先に潰す

コンセプトやターゲットの設計は、あとから直せます。アカウントを失うのは直せません。優先順位を間違えないでください。

30日目の時点で、紐づけ先が会社管理になっているか、アドレス・パスワード・電話番号の記録があるかを確認します。ここが「はい」にならないうちは、次の工程に進まない方が安全です。

最初の30日にやること③コンセプト・ターゲット・発信内容の確定

①プロフィール作成から入らない

何となく開設して投稿を始めても、投稿は積み上がりません。アカウントのコンセプト・ターゲット・発信内容を先に定めます。

プロフィール作成などの細部もありますが、最初にやるべきはそこではありません。細部から着手すると、決めたはずのことが後から揺れます。媒体側の評価の仕組みを踏まえて設計したい場合はInstagramのアルゴリズム解説も参照してください。

②決める順番と優先順位

この30日で決めるものと、その優先順位は次のとおりです。

決めるもの 優先順位 補足
目的の共通認識(関係者全員) 最優先 このアカウントは何を目指し、何をやりたいのか
コンセプト アカウントとして何を掲げるか
ターゲット 誰に届けるか
発信内容 何を出し続けるか
プロフィール等の細部 ここ(最後) 上の4つが決まってから整える

細部は上の4つが決まってから整えます。順番を守るだけで、後戻りの量が大きく変わります。

③関係者全員で目的の共通認識を持つ

「関係者全員」という部分が抜けると、3ヶ月後に判断がぶれます。上長・現場・外部パートナーのいずれかが別の目的を持っていると、投稿の可否や修正の基準が毎回変わります。

コンセプト・ターゲット・発信内容は文書化して、同じものを見ながら合意してください。口頭での合意は3ヶ月もちません。

90日後にやること|上位3〜5位の投稿から共通項を抽出する

90日後の改善PDCA|3ヶ月分の投稿から共通項を抽出する流れ

①改善PDCAを始めるのは90日後

30日〜90日は運用フローを回し、投稿データを溜める期間です。企画〜制作〜投稿のフローが回っている状態を作ります。

改善PDCAを回し始めるのは、運用が始まり投稿データが溜まる90日後です。逆に言えば、それ以前にPDCAを回そうとしてもデータが足りません。30日目の数字を見て焦る必要はありません。

②分析は4つの観点で見る

3ヶ月分の投稿インサイトをすべて並べ、上位3〜5位の投稿に共通する要素を分析します。観点は次の4つです。

観点 見るもの
企画 どんな企画が伸びているか
タイミング いつ・どんな時にいいね/保存/シェア/コメントが生まれるか
人物の有無 人が出ている方が良いか否か
フォーマット カルーセルが良いか、ショート動画が伸びているか

抽出した共通項を、次に作るコンテンツへ反映します。ここまで来て初めてPDCAサイクルが回り始めます。指標の見方そのものに不安がある場合はInstagram分析の方法と指標もあわせて確認してください。

③平均で見ると共通項が消える

上位3〜5位という数字がポイントです。全投稿を平均で見ると、伸びた投稿の特徴が伸びなかった投稿に薄められて消えます。伸びた側だけを取り出して共通点を探してください。

共通点が見つからない場合は、4つの観点に分けて見直します。企画・タイミング・人物の有無・フォーマットのどれかには差が出ます。

初期に手を出すべきでないこと5つ

①本体は「やらないことリスト」

30日・90日プレイブックの本質は、やることリストではなく、やらないことリストにあります。この5つは初期に触りません。

手を出すべきでないこと 理由
一気に全SNSを立ち上げる 運用が回らない体制で複数立ち上げても意味がない。更新が疎か・低クオリティは企業ブランドのマイナス
個人担当者のメール・携帯番号を紐づける 退職時に引き継ぎが漏れると2段階認証やパスワード変更メールが届かず、アカウント(資産)を失う
何となく開設して投稿を始める コンセプト・ターゲット・発信内容が定まっていない投稿は積み上がらない
30日目でPDCAを回そうとする 改善PDCAは投稿データが溜まる90日後のタイミング。それ以前はデータが足りない
本数を先に増やす 体制が整ってから媒体・本数を拡大する。順序が逆だと破綻する

②実際に起きている失敗パターン

現場で繰り返し起きているのは、次のような形です。

  • 運用体制が固まる前に全SNSを同時立ち上げして、全部が中途半端になる
  • 個人のメールアドレス・携帯番号でアカウントを作り、担当者の退職とともに失う
  • パスワード・アドレス・電話番号をどこにも記録せず、担当者の記憶だけで運用する
  • プロフィール作成などの細部から着手し、目的の共通認識を後回しにする
  • 90日目に全投稿の平均値だけを見て、上位3〜5位の共通項を取り出さない
  • 体制が整う前に投稿本数と媒体を拡大し、更新が疎かになる

③立ち上げ時のチェックリスト

迷ったら、この5項目に戻ってください。

  • 30日目までに、始める媒体を1つに絞れているか確認する
  • アカウントの紐づけ先が会社管理になっているか、アドレス・パスワード・電話番号の記録があるか確認する
  • コンセプト・ターゲット・発信内容を文書化し、関係者全員で目的の共通認識を取る
  • 企画〜制作〜投稿のフローを図にして、誰が何をやるかを固定する
  • 90日目に3ヶ月分のインサイトを並べ、上位3〜5位の共通項を抽出して次コンテンツへ反映する

よくある質問

①最初に立ち上げる媒体はどう選ぶか

SNSで叶えたいことの整理から入ります。Instagram・X・YouTube・LINEなど候補を並べ、目的とターゲットに照らして1つ選びます。リソースや運用体制が固まっていないなら、まず1媒体から立ち上げ、あとから目的・ターゲットに合わせて拡充します。

②アカウントを個人メールで作ってしまった。今からどうするか

会社全体で管理する体制へ切り替え、どのアドレス・パスワード・電話番号で運用しているかを記録します。放置したままだと、退職時にロック時の2段階認証やパスワード変更メールが届かず資産を失います。プラットフォームに問い合わせても復活する見込みは持たない方がよいので、失う前に直してください。

③90日目の分析で、上位投稿に共通点が見つからない場合は

観点を4つに分けて見直します。どんな企画が伸びているか、いつ・どんな時にいいね/保存/シェア/コメントが生まれるか、人が出ている方が良いか否か、カルーセルが良いかショート動画が伸びているか。この4軸のどれかには差が出ます。

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