コラム

【企業必見】SNS炎上リスクを未然に防ぐための6つの対策ポイント

最終更新日 2025年7月2日(Wed)

記事作成日 2025年7月2日(Wed)

SNSの影響力が高まる現代、企業アカウントの一投稿がブランド信頼を損なうリスクが増加しています。

「何気ない表現が、知らぬ間に誰かを傷つけてしまう」
「丁寧に準備した施策が、伝え方ひとつで誤解を招く」
このように、多くの炎上は気づかぬリスクによって起きています。

本記事では、企業アカウントが直面するSNS炎上の実態と、その背景にある「見落とされがちな要因」を解説します。

すべてのSNS担当者が知るべきリスクマネジメントの基礎を、今日で押さえておきましょう。

 

SNSの炎上リスクが加速中。いま対策が必要な理由とは

SNSの炎上は、あらゆる企業にとって日常的なリスクとなっており、迅速な対策が求められています。

たった1つの投稿が大きな批判を招き、ブランドイメージを一瞬で損なうケースが増えています。

炎上のきっかけは「表現の不適切さ」だけに限らず、

  • 社会情勢や時流への配慮不足
  • 個人情報や内部情報の誤った取り扱い
  • ユーザー感情の決めつけや理解不足

など、多岐にわたります。

一度火がつけば、拡散のスピードはコントロール不能。そして一度起きてしまった炎上は、「謝罪したから終わり」では済まず、長期的なブランド価値の毀損や不買運動にまでつながることもあります。

企業にとってSNSの炎上対策は「やるかやらないか」の2択ではなく「どれだけ早く備えておくか」の課題です。

何が炎上の引き金になるのか把握し、投稿前にチェックできる体制や、炎上時の対応フローを整えておきましょう。

 

【事例から学ぶ】炎上を引き起こしやすい企業SNSの傾向

企業のSNS投稿は、一見無害に見えても、発信の背景や受け手の解釈によって炎上の火種となる可能性があります。

ここでは、実際の事例をもとに、企業SNSが炎上しやすい5つの傾向を整理しました。

実際のケースを通じて、炎上リスクの兆候と対策のヒントを掴んでいきましょう。

 

1.無配慮な表現による「感情の逆撫で」

【主な事例】

  • 女性を「モデル気取り」「仕切りたがり」のようにネガティブにラベリングし反発を受けた
  • 美人の理想的な数値を並べた広告で「その数値でないといけないのか」と価値観に疑問を抱く声が寄せられた
  • 新商品の告知で、当時話題だった芸能人の不幸なニュースを連想させるような表現を使用し芸能人のファンが激怒

親しみや新鮮さを狙った表現が、受け手の価値観や感情に触れた瞬間に拒否反応を誘発する典型例です。「誰かを不快にしないか?」という視点での徹底したチェックが欠かせません。

特に以下のようなテーマは、受け手次第でとらえ方が大きく変わるため、より慎重な判断が求められます。

  • ジェンダー
  • 外見
  • 家庭の役割
  • 幸せのあり方

 

2.誤解を招く設計・説明不足

【主な事例】

  • 架空の商品をメニューに掲載し、ユーザーが「注文できない」と混乱
  • 「お手伝い」と称した協力者の募集が、労働搾取と批判される
  • イベントの突然の変更や声優交代に公式の説明がなくファンが動揺

ユーザーへの情報提供や説明が不足していると、意図しない「誤解」や「不信感」を生むケースがあります。企業側に悪意がなくても、ユーザーは「騙された」「隠された意図があるのでは?」と疑心暗鬼になってしまうのです。

 

3.実害・品質トラブルによる不信感

【主な事例】

  • 冷凍ケーキが崩れた状態で届き、SNSでクレームが拡散される
  • 食品パッケージ内の虫の存在を投稿され、批判が広がる
  • コオロギパウダー入りパンの販売が、根拠の薄い噂で風評被害に

このタイプの炎上は、企業が発信した情報そのものよりも、ユーザーの体験や思い込みによって火がつくのが特徴です。

  • 実際に届いた商品が期待外れだった
  • 不衛生に感じた
  • 価格や品質が合っていないと感じた

こうした感情が共有・共感されることで、炎上は一気に拡大。近年では、実害が明確でなくても、ユーザーが「そう感じた」だけで火がつく例も増加傾向にあります。

「いつも安心していたブランドなのに、なんだか今回は違うかも?」という小さな違和感が、SNSでは一気に「不信」へと変わるのかもしれません。

 

4.中の人の暴走

【主な事例】

  • SNS運用担当がユーザーに対して挑発的な投稿をし批判殺到
  • 社内の意見とズレた個人的な見解が炎上
  • 誤爆(プライベートアカウントを使ったつもりが企業アカウントに投稿していたというミス)

1人の担当者が書いたものでも、ユーザーには「企業の公式な声」として受け取られます。

そして、担当者のノリや個人的な感覚が前に出すぎると、ブランドとのズレが生じ、ユーザーから「ふざけすぎ」「上から目線」と見なされるリスクがあります。

炎上中に感情的な返信をしてしまうなど、判断ミスが企業の信頼を傷つけるケースも後を絶ちません。

 

5.起用タレント・炎上経験者のリスク波及

【主な事例】

  • 炎上歴のあるインフルエンサーを起用し「なぜこの人を選んだのか」と企業判断に批判が集中
  • スキャンダル直後の人物をサプライズ登場させたことで、公式投稿のコメント欄が批判一色に

タレントやインフルエンサーの影響力が大きい今、企業が「誰を起用するか」は、単なる宣伝以上に、企業の姿勢として見られがちです。

過去に炎上経験のある人物を起用した場合、その印象が企業にも重ねられ、「なぜこの人を選んだのか?」といった疑問や批判が起こるリスクがあります。

SNSでは、タレントやインフルエンサーの昔の発言や言動が掘り返され、文脈を抜きにして再び注目されることもしばしば。その炎上がジェンダーや政治など社会的な論点を含むものだった場合、「この企業は、その意見や立場に共感しているのか?」といった疑問や批判にも繋がります。

 

あなたのSNSは大丈夫?炎上リスクのセルフチェック

自社のSNS運用が炎上リスクにどれだけ備えられているかを確認するための、セルフチェックリストを紹介します。

日々の運用を見直すヒントとして、ぜひ一つずつチェックしてみてください。

① SNS投稿のチェック体制が属人的になっている

✔ 担当者1人に任せきりで、投稿前のダブルチェックがない
✔ 担当者の主観で「OK」と判断していることがある

② 自社内にSNS運用のガイドラインが存在しない

✔ 投稿のNG例やトーン&マナーのルールが曖昧
✔ 「この表現は大丈夫?」という相談先がない

③ 過去に炎上未遂の経験がある

✔ 投稿に批判コメントがついたことがある
✔ 意図せず、差別・ハラスメント的な表現を含んでしまった

④ 炎上時の緊急対応フローが整備されていない

✔ 誰が対応するか、誰にエスカレーションするか決まっていない
✔ 炎上が発覚してから対応方針を考える状態になっている

⑤ 投稿内容が「企業目線」になっていないか確認していない

✔ 社会情勢や時事問題との齟齬が起きていないか不安になる
✔ 社内では“普通”の表現でも、外部からはどう見えるか考えきれていない

⑥ 公式アカウント以外の「社員のSNS投稿」へのルールがない

✔ 個人の投稿が炎上し、企業に波及するリスクを想定していない
✔ 社員アカウントと会社の関係性がグレーなままになっている

 

【企業向け】SNSの炎上リスクを軽減する6つのポイント

SNSの炎上は、発生後の対応も重要ですが、未然に防ぐための備えが最も重要です。

企業がSNSを安心して運用するために整えておくべき6つの炎上対策ポイントを解説します。日々の投稿体制から万が一の初動対応まで、できるところから備えていきましょう。

 

1.運用の目的とルールをチームで統一する

運用チーム内で明文化しておきたいのは以下のような基本ルールです。

  • 投稿のゴール
  • 想定ターゲットとその特性
  • NG表現や避けるべき社会的テーマ
  • 敬語やビジュアルのトーン&マナー
  • 投稿前後のチェックフロー

目的やルールが曖昧だと「なんとなくの感覚」で進み、担当者によって判断がぶれたり、個人の好みが色濃く反映されたりするリスクが高まります。

また、投稿の背景にある「誰に何を届けたいか」「何のための投稿か」といった目的を、日頃からすり合わせておきましょう。

 

2.コンテンツは複数人のチェックを経て公開する

投稿前に必ずダブルチェックできるよう体制を整えましょう。感覚的な言葉選びやビジュアル表現は、見る人によって受け取り方がズレやすいためです。

たとえば「これはちょっと攻めすぎかも」「ユーモアが伝わるか不安」と迷いがある投稿こそ、念入りにチェックしてみてください。

【Wチェック体制の例】

  • チェックの流れやマニュアルを決める
  • 誰がいつ何を確認するかを明確にする
  • 「誰かを嫌な気持ちにさせないか?」を考えチェックリスト化する

 

3.社会情勢や価値観の「地雷」を把握しておく

投稿の意図とは無関係に「社会的な文脈」と結びつけられて炎上するケースが少なくありません。特に、次のようなテーマはいわゆる「地雷」になりやすく、少しの違和感から強い反発を招く可能性があります。

  • ジェンダーや容姿に関わる固定観念
  • 家庭・育児・仕事に関する役割意識
  • 政治・宗教・文化など立場の分かれる話題
  • 特定の人種・地域・世代を批評するような表現

以前は問題にならなかった表現が、今ではNGとされることも。

また、たとえ特定のターゲットに向けた企画でも、異なる立場の人が目にしたときに、「それは不適切では?」と感じる内容もあります。

 

4.SNSリテラシーを社内に浸透させる

「知らなかった」が許されない時代、社員一人ひとりにSNSリテラシーが求められています。

炎上リスクは、公式アカウントの投稿だけに限りません。社員の個人アカウントや関係者の発信がきっかけとなり、企業に批判が集中するケースもあります。

たとえば、プロフィール欄に会社名を載せた上で不適切な投稿をしていたり、内部情報や顧客とのやり取りを軽率に公開したり。

SNSに関するルールは、公式アカウントの担当部署限らず、全社員を対象に周知しましょう。社内研修を通じて、リテラシー教育を続けることが大切です。

【社員に伝えることの例】

  • SNSで発信してOK・NGな内容の線引き
  • トラブル発生時の報告・対応フロー
  • 勤務先や所属を公開する場合の注意点

 

5.炎上未遂の兆候を見逃さない

大きな批判にはならなかったけれど、少しずつ違和感の声が出始めていた。

そんな「炎上予備軍」の段階で気づけるかが、炎上のを防ぐポイントです。

見逃されやすい炎上の兆候には、次のようなものがあります。

  • 「これ不快」「本気でやってるの?」といった引っかかりコメントが届く
  • 自社投稿と似たテーマを扱う他社・他ユーザーが炎上している
  • 一部界隈で投稿が過剰にウケている(が、ターゲット層とはズレている)などノリの温度差がある

【兆候をキャッチするためにできること】

  • エゴサーチを習慣にする
    ※自社に関連するワードでSNS内検索・ネット検索すること
  • パトロール係の設置(もしくは外注)を検討する
  • SNS監視ツールを使う

 

6. 万が一に備えた「初期対応フロー」を持っておく

炎上が発生した際、重要なのはスピード感と冷静さを両立した初期対応です。

対応方針や対応者の決定に時間をかけるほど、状況は悪化しやすくなります。

あらかじめ「もしも」に備えて手順を固め、炎上時の判断の迷いを減らしましょう。

【最低限整えておきたい初動対応のポイント】

  • 問題発覚時の対応担当を明確に
  • 報告・相談のフロー(誰に・どのタイミングで)を資料化
  • 問題が発覚した投稿は原文や反応をすぐに保存
  • 削除・事情説明・再投稿など対応方針の指標を持つ
  • 問い合わせが想定される部門(店頭・カスタマー対応など)との事前連携

⇒こうした初期対応フローをマニュアル化し、関係者で共有する

 

インフルエンサー起用時に炎上を防ぐポイント

ここまで紹介してきた炎上リスクの多くは、企業アカウントや社内関係者の発信が原因となるものでした。

一方で、近年増えているのが「起用したインフルエンサーによる炎上」です。

インフルエンサー施策を多数手がけるリデルが、タイアップ時の炎上リスクを回避するためのポイントを解説します。

 

【インフルエンサー起用前】リスクのある人物を見極める

発信内容や過去の炎上歴、ファン層との相性などを必ず事前チェックしてください。「今」問題になっていなくても、過去の発言が後から掘り返されることも珍しくありません。

インフルエンサーの発信スタイルが攻撃的・過激であったり、特定の層へのネガティブな態度が見られたりする場合も注意が必要です。

依頼の直前ではなく、候補をピックアップする段階でリスクをチェックしておきましょう。

 

【起用時】企業の想いを共有し、共感を得る

企業とインフルエンサーの間で認識に差があると、誤解や炎上につながる恐れがあります。

そのためにも、依頼する際は「ただ宣伝してほしい」ではなく、

  • ブランドや商品の背景
  • 企画の目的やターゲット
  • 発信してほしい世界観やトーン

などを丁寧に共有しましょう。

 

【起用中】投稿前にレビュー体制を設ける

特に、薬機法・景品表示法・ステルスマーケティング規制など、法令違反に注意しましょう。

重要なのは、投稿前に下書き確認をすることです。

【投稿前に確認したいこと】

  • 表現が法令やガイドラインに沿っているか
  • ブランドのトーンや企画意図に合致しているか
  • 社会情勢や時流に対して配慮された内容になっているか

確認担当者によって判断のブレが生まれないよう、チェック項目まで決めておくのがおすすめです。

 

【炎上に備えて】責任の所在と対応方針を決めておく

どれだけ注意しても、炎上リスクをゼロにすることはできません。特にタイアップ施策では、誰がどこまで責任を持つのかが曖昧だと、炎上時の対応が後手に回りがち。

投稿後のトラブルに備え、以下のようなポイントをすり合わせておきましょう。

  • 誰がどの範囲まで対応するのか(削除・謝罪・説明など)
  • 判断が必要な場合の連絡方法
  • 誰が対応方針の最終判断をするのか
  • 炎上時の一次対応の方針

契約書などであらかじめ想定しておくことで「迷いのない対応」ができ、被害の拡大を防げます。

 

まとめ

SNSでの炎上リスクを完全に回避することは難しいものの、適切な対策によりリスクを最小限に抑えることが可能です。社内のチェック体制を整え、SNS運用のガイドラインを明確にしておけば、大規模な炎上を防げるでしょう。肝心なのは、炎上が起きた後ではなく「起きる前」に備えることです。

もし社内だけでリスク管理するのに不安を感じる場合は、リデルにご相談ください。リデルでは、消費者庁のステマ検討会への協力や多数の企業支援により、炎上を防ぐノウハウを培ってきました。

貴社に最適化した炎上対策プランを今すぐご提案しますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

https://influfect.com/influfect/

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