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ChatGPTショッピング機能とは?ECや広告に与える影響を解説
最終更新日 2025年6月3日(Tue)
記事作成日 2025年5月21日(Wed)
SNS広告やSEO対策に取り組む企業にとって、今注目の新たな販促チャネルが「ChatGPTのショッピング機能」です。
AIがユーザーの会話から商品を提案し、購入へと導くこの機能は、すでに米国で急速に広がり、EC市場の新たなスタンダードになりつつあります。
この流れに乗り遅れると、競合との差が一気に広がる可能性があります。
日本企業にとっても、ChatGPTを通じた購買体験への対応を早急に検討することが、今後の競争力維持のために不可欠となっています。
この記事では、ChatGPTのショッピング機能の仕組みや活用方法、企業の販促戦略への影響について解説します。
目次
ChatGPTのショッピング機能とは?
2025年4月28日、OpenAIはChatGPTに「ショッピング機能」を正式にリリースしました。
これまでのEC戦略では「検索」を前提に、キーワード設計や広告運用を行ってきた企業も多いでしょう。
しかし、この新機能はユーザーが「対話するだけ」で商品を探せる、従来の検索や広告とは全く異なる購買プロセスを採用しています。
企業はこれまでの「検索されること」を前提とした戦略を見直し、AIと消費者の間に生まれる新たな接点にどう対応するかが問われています。
ChatGPTで買い物ができるってどういうこと?
従来、ユーザーが自ら検索ワードを入力し、商品を探すのが当たり前でした。しかし、ChatGPTのショッピング機能では、その行動が大きく変わろうとしています。
たとえばユーザーが「母の日におすすめのギフトってある?」と入力すると、ChatGPTが会話内容を理解し、ECサイトの商品情報をもとに複数の提案を行ってくれるのです。
注目すべきは、ユーザーが「ナチュラル系のベージュのトートバッグが欲しい」など、好みの色やサイズ、テイストを自然な会話で伝えるだけで、商品を探せる点です。
ショッピング機能を活用することによって、潜在的なニーズに応じた提案が可能となります。
ショッピング機能で商品表示される仕組み
ChatGPTは、ShopifyなどのECプラットフォームと連携しながら、商品データを取得し、会話の内容に合った商品をリスト形式で提案してくれます。
検索エンジンのようにキーワードを軸にした仕組みではなく、ChatGPTではAIが意味を理解して商品を表示する「セマンティック検索」が使われています。
そのため、今後は「AIにとってわかりやすい形で整えられた商品情報」が、これまで以上に重要になってくるでしょう。
ChatGPTのショッピング機能の使い方
企業としてショッピング機能を実装する前に、まず「どんな体験なのか」を把握しておくことが重要です。担当者自身が一度使ってみることで、ユーザー視点での流れが見えてきます。
本章では、実際の使い方の手順を紹介します。
①「GPT-4o」「4o-mini」モデルを選択
ChatGPTを開いたら、モデル選択メニューから「GPT-4o」または「o4-mini」をクリックしてください(赤枠参照)。
この機能は、無料プランでもGPT-4oモデルを選べば利用可能です。ただし、利用制限があるため、業務利用を想定する場合は有料プラン(ChatGPT Plus)での活用がおすすめです。
②会話調のプロンプトを入力して商品検索
ChatGPTでは、キーワードではなく自然な会話のような文章(会話調のプロンプト)で商品を探すことができます。
たとえば、こんな内容を打ち込んでみてください。
- 「自宅で使える静音タイプのマウスを表示して」
- 「1万円以内で買えるキッズスニーカーを探して」
- 「30代女性に人気の春用ワンピースを教えて」
- 「ナチュラルテイストのインテリアに合う、おすすめのデスクライトを教えて」
ざっくりした表現でも、AIが意図をくみ取って的確な商品を提案してくれるのが特徴です。
③リスト表示される商品をチェック
会話の流れに沿って数点の商品がリストアップされます。ここで重要なのは、「どんな情報が抽出されているか」を観察すること。自社商品がどのように見られているかのヒントにもなります。
特に注目すべきは、価格やレビューの有無、スペック情報がどのように提示されているかです。
AIの選定基準を読み解くことで、自社の情報設計にどんな強化が必要かが可視化されます。
④購入ページへ移動
最終的には、外部のECページへリンクされます。つまり、ChatGPTは検索と提案を担う「新しい導線」として活用できるのです。
ChatGPTのショッピング機能では、会話の流れからすぐに購入ページへ移動できるため、従来のLP制作や広告キャンペーンに比べて、ユーザーの手間(フリクション)が大幅に少なくなります。
そのぶん、リンク先となる商品ページ(詳細ページ)を見やすく整えておくことが、今後の導入に向けて重要な準備となります。
ショッピング機能がECサイト・広告戦略にもたらす影響
これまでの「広告費をかければ売れる」時代は、すでに終わりつつあります。
ChatGPTのショッピング機能は、検索・比較・購入の意思決定プロセスそのものを塗り替える可能性があります。
企業がこれに適応するためには、「広告出稿」ではなく「AI推薦に選ばれる」戦略へとシフトしていく必要があります。
広告に頼らない提案が可能に(オーガニック検索による推薦)
ChatGPTは、広告表示ではなく、会話文脈から自然に商品を推薦します。
これまでのPPC広告に依存せずとも「発見される」導線が生まれることで、広告費を抑えながら顧客接点を確保する戦略が可能になります。
これは、広告費用の節約が課題になっている企業にとって、コスト構造を見直すチャンスでもあります。
検索から購入までの導線が短くなる
ショッピング機能の浸透は、「欲しいと思った瞬間に提案され、その場で購入できる」──顧客体験(CX)の向上にも直結します。
これにより、離脱ポイントが減少し、CVR改善にも貢献するでしょう。モバイルユーザーや忙しい人にとって、すぐに商品にたどり着けること自体が強みになります。
AIに認識されるデータ整備とSEO設計が必要
社内のマーケティング・EC運営チームは、従来の検索エンジン最適化に加え、「AIが理解しやすい商品情報の整え方」が求められます。
この作業は、単に誤字や表記を直すだけではありません。
- 商品のサイズ、色、価格
- 商品のジャンル(カテゴリ)
- 在庫の有無
- ページ内の説明文の言い回し
- 表現の統一感
- 伝えたい内容の順序
一例として、上記のことを見直す必要があります。
これからは「キーワードを入れればOK」ではなく、AIが内容を正しく理解できるように、情報を丁寧に整えることが大切になってきます。
ショッピング機能で「AIに選ばれる」条件とは
これまで、ショッピング機能がECや広告戦略にどのような影響をもたらすのかを見てきました。
では実際に、AIに自社の商品を「選んでもらう」ためには、どのような工夫が必要なのでしょうか。企業が押さえておきたい具体的なポイントを4つの視点でお伝えします。
①構造化された商品データ
ChatGPTが商品を判断するうえで重視するのは、「情報がきちんと整理されているかどうか」です。
たとえば、商品ページのHTMLに「これは商品名です」「これは価格です」といった意味づけ(=スキーママークアップ)をしておくと、AIがその情報を正しく読み取りやすくなります。
ShopifyやGoogle Merchant Centerなどでは、こうした商品情報を機械が理解できる形で記述するしくみが整っており、ChatGPT経由での表示にも有利に働きます。
②検索に強い説明文
商品説明文も、従来のSEO対策とは異なる「AIに伝わる設計」が求められます。ChatGPTは文章の意味を理解して商品を紹介するため、「誰に、どんな場面で、どう役立つか」が明確に記されているかが重要です。
たとえば「出産祝いに人気のオーガニックタオル」などのように、利用シーンや価値訴求を文章に落とし込むことで、AIは「それを探している人」に対して推薦しやすくなります。
③信頼性を示すレビュー・実績
ChatGPTは、商品に付随する「外部評価」にも注目しているようです。
レビュー件数や星の数、内容の充実度などは、信頼できる商品かどうかを判断する重要な指標とされます。
レビュー文に「使ってみて○○が便利だった」「○○の場面で役立った」といった具体性があればあるほど、AIはその商品を他人に薦めやすくなります。
さらに、レビューの蓄積状況によって同カテゴリ内での優先順位が変わることもあり得るため、投稿促進キャンペーンの実施も、AI対策の一環として有効です。
④一貫したブランド設計
ユーザーとの接点が増えるほど、ブランドの世界観や軸のブレはAIにも検知されやすくなります。
たとえば、同じブランド内で価格帯やターゲットがバラバラだと、AIは「誰に薦めるべきか」を判断しにくくなる可能性があります。一方で、価格やトーン、デザイン、用途などに一貫性があるブランドは、ChatGPTからも信頼できる提案先として認識されやすくなるようです。
ショッピング機能における今後の課題と対策
ChatGPTのショッピング機能は、まだ進化の初期段階にあります。
今後は商品情報の精度向上や、ユーザーの購買意図をより的確にくみ取る仕組みが求められます。
一方で、AIが介在することで生じる表示ロジックの透明性や信頼性の確保も、大きな課題として浮かび上がっています。
ショッピング機能の課題
プロンプトの入力内容によって、商品画像がカルーセル式に並ぶものの、その中に価格が表示されないなど、表示形式にはばらつきがあるのが現状です。こうした点からも、今後さらにUIやデータ連携の精度が高まることが期待されます。
また、表示ロジックのブラックボックス化(「なぜその商品が表示されるのか」が分かりにくいこと)や、情報の正確性、レビューの信ぴょう性など、企業側が管理できない「AIリスク」も存在します。
そのため企業としては、単にAIに合わせるだけでなく、ブランドとして伝えたい情報をどう制御・発信するかという視点も欠かせません。
AIとユーザーとの「接点」をただ受け身で待つのではなく、自らの情報設計や発信スタンスを通じて、信頼される存在になることが必要になるでしょう。
導入後は効果測定が必須
ChatGPTのショッピング機能を導入したあとは、Google AnalyticsやGA4を使って「どれだけの人がAI経由でサイトを訪れたか」「どれくらい購入につながったか」といった効果を具体的に確認することが大切です。
たとえば、「ChatGPTからの流入でセッションが増えたのに、CVR(コンバージョン率)が伸びていない」などの結果が見えれば、商品ページやプロンプトの内容を見直すきっかけになります。
さらに、どんなキーワードや質問から流入があったのか、どの商品がクリックされやすいのかといった情報もヒントになります。こうしたデータをもとに改善を重ねていけば、ユーザーとの接点を育て、AI経由でも成果が出せる導線をつくることができるでしょう。
まとめ
ChatGPTのショッピング機能は、企業の広報・EC戦略にとって、まさに「次の一手」を考えるための起点です。従来のSEOや広告戦略で培ってきた知見をベースにしつつ、AIに伝わる情報整備・構造設計という視点を加えることで、新たな販路が開けていきます。
- AIに選ばれる商品設計
- 対話からの自然な導線
- 広告に依存しない提案
これらは一部の企業の先行事例ではなく、今後スタンダードになる可能性があります。
今後の販路戦略では、検索エンジンや広告に頼るだけでなく、自社の商品がAIとユーザーの会話の中で自然に取り上げられるような設計を目指すことが重要です。
従来の広告やSEOに加えて、「AIに選ばれる商品設計」が企業にとって新たな競争軸となりつつあります。
ChatGPTのショッピング機能をただの話題として見るのではなく、自社の販促設計や情報整備の再点検の機会として、積極的に活用することが重要です。AIとの新しい接点をどう活かすかは、これからのブランド価値そのものに直結します。
この変化をいち早く捉え、自社商品をAI経由で自然に「発見」してもらう導線を整えることが、次世代EC・広告戦略の第一歩となるでしょう。INFLUFECTでは、SNSやインフルエンサーマーケティングを中心に、さまざまな企業様のマーケティング活動をサポートしてまいりました。
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