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TikTok Shopとは?ビジネス活用の可能性を解説!
最終更新日 2025年8月1日(Fri)
記事作成日 2025年8月1日(Fri)
ショート動画を活用したSNSマーケティングが加速するなか、TikTokが新たなショッピング機能「TikTok Shop」を日本でもリリースしました。企業の広報やSNS担当者にとって、この新機能は従来のマーケティング戦略を大きく変える可能性を秘めています。
この記事では、TikTok Shopの基本的な仕組みや主な特徴をわかりやすく整理しました。さらに、TikTok Shopが今後のビジネスやSNSマーケティングに与える影響や具体的な活用方法もお伝えします。
「TikTok Shopってどんな機能?」「導入すると何が良くなる?」と疑問をお持ちの方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
TikTok Shopとは?
2025年6月30日、TikTok Shopがついに日本で正式リリースされました。これは、TikTokアプリ内で商品をシームレスに購入できる新たなeコマース機能です。
従来のSNSマーケティング(ソーシャルコマース)は、「認知→検討→購入」というプロセスで行われていました。これは、「検討」の段階で一度ユーザーを外部ECサイトに誘導する必要がありましたが、TikTok Shopでは購入まで一貫してアプリ内で完結できます。
ショート動画やライブ配信といった媒体の性質を活かし、コンテンツを閲覧する多くのユーザーに効果的にリーチできるのが特徴です。
また、2025年7月には第一回「夏祭りセール」が開催されました。この企画では、割引キャンペーンが展開され、Amazonや楽天市場のようなオンラインモールとしての機能を果たしています。
(出典:TikTokShop Officialアカウントより)
TikTokShopで注目すべきは、動画を見たあとに商品を検索したユーザーが75.2%、実際に美容商品を購入したユーザーも36.2%にのぼるという調査結果です。TikTokは単なるエンタメ用途を超え、購買を促進する画期的な仕組みになりつつあります。
TikTok Shopの主な特徴とメリット
(出典:TikTokShop Officialアカウント)
TikTok Shopを活用することで、企業の販促活動においてさまざまなメリットが得られます。
潜在顧客へのリーチ拡大
従来のSNSマーケティングでは、すでに商品やブランドを知っているユーザーへの発信が主でした。
しかし、TikTok Shopでは、たとえば「美容に関心があるけれど商品名までは知らない層」など、潜在的な顧客にも動画を通じて自然にアプローチできます。TikTokのアルゴリズムはユーザーの興味・関心に応じて動画を届ける仕組みで、企業が想定していない層にもリーチできる可能性があるためです。
TikTokはMAU(月間アクティブユーザー数)が10億人超に達しており、国内外でのリーチ力は非常に高い水準といえます。
効果測定の精度向上
TikTok内で認知から購買行動までが完結するため、マーケティング施策のROI(投資対効果)を正確に測定できます。動画視聴から購入までの一連の行動データを取得できるため、どのようなコンテンツが購買につながりやすいかを詳細に分析し、マーケティング効果の検証が可能です。
購入後押しの強化
TikTokならではの強みは、動画を通じてテキストや画像だけでは伝えきれない商品の魅力を、視覚的にしっかり届けられる点にあります。使い方や効果がイメージしやすくなることで、購入を迷っているユーザーの背中を押す効果が期待できます。
さらに、動画から商品ページへ数タップで遷移できる導線が整っているため、購買意欲が高まったタイミングを逃しません。スムーズに商品情報へアクセスできることで、偶発的な購買行動を生み出しやすくなっています。
TikTok Shopの4つの主要機能
TikTok Shopには、企業のマーケティング活動を支援する4つの主要機能が搭載されています。
- カート付きショート動画
- LIVEコマース
- ショーケース
- ショップタブ
ここでは、上記4つの機能について解説します。
①カート付きショート動画
ショート動画内で直接商品ページへのリンクを設置できる機能です。
ユーザーは動画を視聴しながらそのまま商品を購入できるため、「動画視聴→サイト遷移→商品検索→購入」といった複雑なステップを踏むことなく、即時購入を実現できるのが大きな特長です。
直感的にタップするだけで購入できますが、視聴者が迷わず行動できるよう、購入手順やリンクの使い方を動画内で丁寧に伝えるようにしましょう。
(出典:TikTokShop Officialアカウント)
②LIVE コマース
リアルタイム配信で視聴者とコミュニケーションを取りながら商品紹介や販売が可能な機能です。
視聴者からの質問にその場で答えたり、商品の使用感を実演したりすることで、高いエンゲージメントを生み出します。限定商品の販売や特別価格での提供など、ライブ配信ならではの特別感を演出することで、即時コンバージョンが期待できます。
資生堂アネッサはライブ配信とTikTokShopを組み合わせ、GMV(売上総額)を27%増加、視聴PVを2倍以上に増加させました。
③ショーケース(商品詳細ページ)
この機能は、商品情報やユーザーレビューを一つにまとめて表示できる専用ページです。
購入を検討する際に必要な情報をすぐに確認できるだけでなく、ユーザーによるリアルなレビューをその場で見られるのも大きな特長。口コミはサイズ感や使用感の判断に役立ち、購入の決め手となる要素です。
あらかじめ詳細な情報を把握できることで、購入後のトラブルやクレームの防止にも役立ちます。情報を一つひとつ調べる手間がなく、スムーズに比較・検討ができます。商品の魅力を多角的に伝えることで、購買意欲の後押しにもつながります。
④ショップタブ
TikTok内の専用ショッピングエリアで、ユーザーの過去の視聴履歴や興味関心に基づいたパーソナライズドレコメンド機能です。
その人にぴったりの商品が表示されるので、「こんなの欲しかった!」という発見につながりやすく、つい手が伸びてしまうような買い物体験が実現します。
TikTok Shop活用アイディア(SNSマーケティング編)
本章では、企業がTikTok Shopを効果的に活用するための具体的なアイディアを紹介します。TikTok Shopが本格展開されている世界の成功事例を交えて解説するので、自社の販促の参考にしてみてください。
①新商品プロモーション戦略
この機能は、たとえばコスメや日用品など「使い心地」や「変化」を見せたい商材との相性が抜群です。15〜30秒のショート動画で商品の魅力をテンポよく伝えながら、商品ページへダイレクトに誘導できるため、新商品プロモーションに非常に効果的です。
さらに、ハッシュタグチャレンジと組み合わせれば、ユーザー発信の投稿(UGC)も広がり、自然なかたちで認知拡大や話題化が狙えます。
②限定販売とキャンペーン展開
限定商品の先行販売や割引キャンペーンを展開する場として、LIVEコマースは非常に有効です。
たとえば、アパレルブランドが新作の先行予約を受け付けたり、食品メーカーが期間限定フレーバーをLIVE配信中だけ特別価格で提供したりといった施策が可能です。「今だけ」「ライブ視聴者限定」といった限定感を演出することで、視聴者の購入意欲を高められます。
実際にNIVEAベトナムでは、最初の2ヵ月で迅速に立ち上げを実施し、クーポン配布やおまけを用意することで、消費者の購買意欲を向上させました。
週に3~4回のLIVE配信の継続により、コンバージョン率4%を記録しています。
③商品情報の充実化
ショーケース機能を活用し、商品情報を充実させることは、ユーザーの購買意思決定を後押しするうえで非常に重要です。
たとえば家電やスキンケア用品のように比較検討が必要な商材では、サイズ・スペック・使用感・口コミなどの情報を一元的に掲載できることが大きな強みです。よくある質問への回答やレビューの可視化により、不安を払拭し、購入後の満足度を高める効果も期待できます。
イギリスのファッションブランド「ASOS」では、TikTok Shopを活用し、動画と商品情報を一体化させた展開を行っています。
動画で紹介したアイテムはその場で価格やサイズ、在庫まで確認でき、コーディネート提案や類似アイテムの表示も加えることで、一つの商品から複数の購買導線を生み出しています。
ユーザーの約45%が18〜24歳と若年層が多いため、直感的に比較・検討・購入まで進める導線設計が徹底されており、情報の見せ方を工夫することで売上を強化。
④パーソナライズ機能の活用
ショップタブのパーソナライズ機能を活用すれば、ユーザーごとの興味・関心や購買履歴に基づき、最適な商品を提案できます。
この機能を効果的に使うことで、たとえば「ライブ配信視聴後に似たカテゴリの商品を優先表示する」といった設計も可能になり、ユーザーの行動と購入をスムーズにつなげる導線づくりに役立ちます。
結果として、ユーザーは想定外の商品との出会いや発見を楽しみながら、自然な流れで購買へと進みやすくなるでしょう。
TikTok Shopが変えるSNSマーケティングの未来
TikTok Shopは、動画とショッピングがシームレスにつながる「ソーシャルコマース」の中核として、グローバルに展開を拡大しています。
2021年にインドネシアとイギリスでスタートし、2022年にはタイやシンガポール、ベトナム、マレーシアなどアジア圏へと拡大。2024年にはアメリカやスペインでも展開され、2025年にはついに日本にも上陸しました。
注目すべきは、ソーシャルコマース市場が2030年までに6.2兆ドル規模へ成長し、eコマースの4倍の成長率を記録すると予測されている点です。
「見る→共感する→買う」という流れがTikTok上で日常的に行われる中、従来の広告は「見せるだけ」で終わっていたのに対し、TikTok Shopは「買える場所」として広告費の投下先そのものが変わりつつあります。
企業はこれまでのリスティング広告やバナーよりも、直接購買につながる動画コンテンツやインフルエンサー施策に広告費をシフトさせるようになっています。
今後は、InstagramやYouTubeなど他のSNSでも、同様のショッピング機能が拡充されていく可能性が高く、「SNS内で商品認知から購入まで完結する時代」はすぐそこまで来ているかもしれません。
企業にとっては、外部ECへの誘導に頼らず、SNS上のエンゲージメントをそのまま購買へとつなげる新たな戦略設計が求められるようになるでしょう。
まとめ
TikTok Shopは、企業のSNSマーケティング戦略に新たな可能性をもたらす革新的なプラットフォームです。ショート動画の拡散力とeコマースの利便性を融合させることで、これまでにない購買体験を提供し、企業の売上拡大と顧客満足度向上の両立を実現します。
企業の広報やSNS担当者の皆様には、TikTok Shopの各機能を理解し、自社のマーケティング戦略に効果的に組み込むことをお勧めします。
動画コンテンツの制作からLIVEコマースの実施、効果測定まで、包括的なアプローチでTikTok Shopを活用することで、競合他社との差別化を図り、新たなビジネスチャンスを創出できるでしょう。
SNSマーケティングに注力する私たちリデルは、TikTok Shopを最大限に活用したマーケティング支援を展開しています。「SNS×eコマース」で新たなビジネスチャンスを広げたい方は、ぜひリデルまでご相談ください。
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