コラム

【2025年最新版】SNSキャンペーンの法規制とステマ対策ガイド|企業が違反を防ぐための実践ポイント

最終更新日 2025年7月2日(Wed)

記事作成日 2025年7月2日(Wed)

SNSキャンペーンを企画したいけれど、「SNS発信に対する社会的な監視が強まっている」と感じていませんか?

近年、ステマ規制や景表法の強化により、SNSでの情報発信にはこれまで以上のコンプライアンス意識が求められています。

特にプレゼントキャンペーンなどは運用ノウハウがあまり公開されておらず、「どこまでOK?」「表記の仕方は?」と迷いがち。担当者レベルでは判断が難しい場合も多いでしょう。

そこでこの記事では、SNSキャンペーンで押さえるべき最新の規制と、実務で使える具体的な対策案を紹介します。

「ちゃんと対策しているつもりだったのに…」と後悔しないためにルールの理解を始めましょう。

 

SNSキャンペーンで規制を無視できない時代になった背景

SNSキャンペーンやPRの伝え方は近年厳しさを増しました。

なぜ今規制対応が求められるのか、社会的な背景を解説します。

 

1.情報の見せ方への社会の目が厳しくなっている

SNSキャンペーンでは、「より多くの人に見てもらうために、インフルエンサーや一般のユーザーに拡散をお願いする」という方法がよく使われます。

このように企業が誰かに頼んで投稿してもらうとき、「これは企業の宣伝です」とハッキリ伝える必要があります。

「その人が自分の気持ちで紹介しているように見えるけど、実は企業に頼まれているんじゃ?」と、見る人の目がとても厳しくなっているからです。

企業は「見た人がどう感じるか?」まで考えて、説明責任を果たさなければなりません。

SNSだからこそ伝わる魅力もありますが、同時に「伝え方ひとつ」で信頼を損なうリスクも高まっています。

 

2.好感度だけでなくコンプライアンス意識も問われる

SNSキャンペーンでは、ユーザーの気持ちへの配慮だけでなく、法律・ルールの遵守も欠かせません。キャンペーンに対して法律やSNSの運営側による規制が強化されており、企業側の責任がより明確に問われています。

【SNSキャンペーンに関わる主な法律・ルール】

  • 景品表示法(景表法)
  • ステルスマーケティング規制(ステマ規制)
  • 個人情報保護法
  • 薬機法(旧・薬事法)
  • 各SNSのガイドライン・利用規約

もはや「知らなかった」では済まされません。キャンペーンの設計段階から、ルールと法律への対応を組み込む必要があります。

 

SNSキャンペーンに関わるステマ規制の基本と注意点

ステマは2023年10月より景品表示法に基づき明文化され、企業が違反の主体となる明確な法的リスクが生まれました。ここでは、ステマの定義と規制内容を具体的にみていきましょう。

 

1.そもそもステマって?

ステルスマーケティング(通称:ステマ)とは、企業がユーザーに宣伝を依頼しているのに、それをはっきりと伝えずに紹介してもらう行為を指します。

たとえば、インフルエンサーが「この商品すごく良かった!」と投稿していても、実は企業からお金や商品をもらって書いている。にもかかわらず「これは広告です」と明示されていなければ、ステマと見なされます。

広告であることを隠した投稿は、以前から「本当に紹介したいだけなのか?」「だまされた気がする」といった不信感を招きやすいものでした。

 

2. 2023年から始まった「ステマ規制」とは?

広告かどうかわかりにくい投稿が消費者を誤認させるとして問題視され、2023年10月からは、ステマが「不当表示(景品表示法違反)」に分類されました。

消費者庁の新たなガイドラインにより、広告であるときちんと伝えなかった場合、投稿者ではなく企業が処分の対象になるとされています。

これまでも、ステマと見なされる投稿に対する不信感はありましたが、企業側への処罰規定は曖昧でした。

現在では「広告であると伝わらない投稿」は単なるマナー違反ではなく、明確な法令違反。

SNSキャンペーンを実施する際は、企業として適切な対応が求められています。

 

3.SNSキャンペーンで「ステマ規制違反」とされる具体例

以下のような投稿は消費者庁により、不当表示に該当する可能性がある例として紹介されています。

(参考:「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準

【インフルエンサーに依頼しているのに「#PR」などの広告表記がない】

報酬が現物支給(商品提供)であっても、企業から依頼された時点で広告と見なされます。
広告とわかる表記がなければ、ステマに該当する可能性が高まります。

【キャンペーンの紹介を依頼したが、企業との関係を明示していない】

「友達として紹介している風」や「たまたま知った感じ」でキャンペーンを発信することも、依頼による投稿なら明示義務の対象です。

【投稿内に「企業名」「キャンペーン名」などが明記されていない】

「どの企業が」「どんな依頼で投稿させているか」が伝わる必要があります。
説明を小さく書いたり、スクロールしないと見えない場所に配置したりする工夫も誤解を招きます。

 

SNSキャンペーンの規制を対策する5つの方法

「知らなかった」では済まされない今、SNSキャンペーンは設計段階から法令対応を意識する必要があります。とはいえ、どこから手をつけるべきかわからない企業も多いはず。

リスクを避けながSNSキャンペーンを開催できるよう、ノウハウをここでお伝えします。

 

1.法務と連携する体制を整える

景品表示法や薬機法など、SNSキャンペーンではあらゆる法規制に対応する必要があります。

「ユーザーには響くけど法的にNG」
「法的には問題ないけど伝わりづらい」

といったズレが生まれないよう、法務と連携をとりましょう。

【ToDo例】

  • キャンペーン企画時に、法務部・マーケ部で打ち合わせを実施
  • 投稿文や告知内容は、法務レビューを必須に
  • 「SNSキャンペーンでのチェックリスト」を作成し、関係者で共有
  • SNSごとの規制や法律に関する最新情報を定期的に共有

 

2.ステマにならない投稿設計をする

インフルエンサーや一般ユーザーにキャンペーンの拡散を依頼する場合、「広告であることが伝わる見せ方」になっているかチェックしましょう。

特に注意したいのが、投稿者本人に任せきりにするケース。広告であると明示しない投稿は、ステマ規制への違反と見なされるリスクがあります。

依頼段階で広告表記のルールをしっかり伝え、投稿前に企業が内容を確認する体制を整えましょう。

【ToDo例】

  • 投稿に「#PR」や「広告」などの明確な表記を求める
  • 広告表記が必須であることを契約書や依頼文で伝える
  • 投稿前に企業または代理店で下書きを確認する
  • 下書きだけでなく実際の投稿も確認する

 

3.各SNSのルールを事前に確認する

SNS独自のガイドラインや規制に従うことが必須です。

SNSごとにキャンペーン形式や投稿手法のルールが異なるため、知らずに違反してしまうケースが少なくありません。

【ToDo例】

  • SNSごとのプロモーションポリシーを定期的に確認
  • ルールの不明点はSNS側に問い合わせる
  • SNSの新機能があれば使用ルールを都度チェック
  • パートナー企業(代理店など)ともルールを相互確認

 

4.参加条件や告知文をわかりやすく記載する

抽選や特典を伴うキャンペーンで、条件が曖昧だとユーザーからの誤解につながるリスクが高まります。

X(旧Twitter)やInstagramでは、投稿に書ける文字数や表示スペースが限られています。そのため、特に伝えるべき情報を優先して書き、足りない説明はキャンペーンページなどの外部リンクで補足する工夫が必要です。

【ToDo例】

  • 応募条件・応募方法・特典内容を誰でも理解できるよう記載
  • 「いつ・誰が・何を・どうやって受け取るのか」を抜けなく記載
  • 表現をぼかさず「抽選」か「全員プレゼント」か明確に伝える
  • 当選連絡の方法や特典の配布時期を知らせ応募者の不安を減らす

 

5.個人情報の収集・管理ルールを整備する

SNSキャンペーンでは、当選連絡や商品発送のために、メールアドレスなどの個人情報を取得するケースが少なくありません。

その際、「何のために集めるのか」「どのくらいの期間保管するのか」といった情報を事前に説明してください。ユーザーに「勝手に情報を使われたのでは」と不信感を抱かれたり、法律違反に問われたりするリスクがあります。

代理店にキャンペーンの進行を頼む場合でも、情報がどう扱われるか企業側で把握しておきましょう。

【ToDo例】

  • 応募時に取得する個人情報の種類と目的を明確に
  • プライバシーポリシーや利用規約で取り扱い方針を説明
  • 外部フォームやツールを使う場合、セキュリティや情報の保管期間を確認
  • タイアップ先のインフルエンサーが個人情報を扱う場合、取扱ルールを共有&契約に明記
    ※インフルエンサーが応募受付や当選連絡の窓口となるケース

 

企業の成功事例から学ぶSNSキャンペーンの設計

「規制が厳しいと自由に設計できないのでは?」と不安に感じる方もいるかもしれません。

実は、ルールを守りながらも成果を上げている企業はたくさんあります。

弊社がSNS運用を支援する中で、特に印象的だった事例を紹介します。

 

1.「キャンペーン×広告」で3,000フォロワー増加

株式会社 大香 導入事例インタビュー

ミネラルウォーター「コントレックス」の正規代理店である株式会社大香では、

  • ブランドイメージを保ちつつ、投稿内容にバリエーションが欲しい
  • フォロワーを増やすだけでなく、定着率と購入への波及効果も重視したい
  • 広告と連動した効果的なキャンペーンを実施したい

といった課題を抱えていました。

そこでリデルでは、投稿企画・広告運用・インフルエンサー起用までを一貫支援。一時的な話題化にとどまらない「キャンペーン→認知→来店・購買」までを見据えた設計を行いました。

コントレックスのブランドイメージを損なわない自然なクリエイティブを用いながら、「誰に」「何を届けるか」を明確にした広告配信で、キャンペーンのリーチを最大化。

結果として、二度のキャンペーンで合計3,000人以上のフォロワー増加を達成しました。

SNS投稿を見たユーザーがリアルイベントに来場するという波及効果も生まれています。

 

2.プレゼント内容の見直しで、反応が大幅アップ

タイガー魔法瓶株式会社では、Instagram上でのプレゼントキャンペーンを通じて商品への関心を高め、購買導線までを意識した設計に取り組みました。

当初は他社製品を景品にしていましたが、ブランドへの理解・関心を深めてもらうため、自社商品のプレゼントへと見直し。この変更により、応募者の興味の質が向上し、投稿へのリアクションにも大きな変化が見られました。

  • キャンペーン投稿のいいね数は従来の10倍
  • コメント数も増加し、エンゲージメントが大幅向上
  • 商品ページへの遷移数は、通常投稿の3倍に到達

 

まとめ

SNSキャンペーンは、フォロー外ユーザーからも多くの注目を集め、認知を広められる魅力的な施策です。一方で、近年のステマ規制や法制度の強化により、ルールが複雑化しています。

SNSキャンペーンは認知拡大に有効な手段である一方、ステマ規制や法制度の強化により、適切な運用体制が不可欠となりました。
迷ったときは専門家と連携し、安全かつ効果的なキャンペーン設計を実現しましょう。

リデルでは、SNSキャンペーンの企画から規制対策・インフルエンサー起用までトータルで支援しています。

「法務部がSNSに詳しくない」「相談できる相手がいない」などお困りごとがあればお気軽にご相談ください。

https://influfect.com/influfect/

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