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キャンペーンに頼らない投稿企画|認知・関係・販売を3割4割3割で組む柱の作り方
最終更新日 2026年10月16日(Fri)
記事作成日 2026年10月16日(Fri)

セール告知と割引以外に出すものが思いつかないのは、ネタ切れではなく販売以外の柱を設計していないからです。アカウントの役割を認知・関係・販売に分け、来週分のカレンダーを3割4割3割で組み直し、販売告知を全体の30%以下に抑える。本記事ではこの「販売3割ルール」の回し方と、商品と人からネタを出す切り口、判定に使う4指標までを解説します。
目次
執筆:リデル株式会社 SNSマーケティングチーム
SNS・コミュニティマーケティング専門企業。上場企業を含む7,000社超の支援実績をもとに、
SNS運用・インフルエンサー施策の現場ナレッジを発信しています。
キャンペーン依存の正体|柱が販売告知1本しかない
投稿を振り返る。セール告知、割引、プレゼント企画、またセール告知。それ以外が出てこない。キャンペーンを止めるとエンゲージメントが落ちる。だから止められず、毎週告知を繰り返し、フォロワーが疲弊していく。
この状態を「ネタ切れ」と呼んでしまうと、打ち手が「ネタ探し」になる。そこが最初の分かれ目になる。キャンペーンばかりになるのは、販売以外の柱を設計していないからである。ネタの問題ではなく、設計の問題だと見立てを変えるところから始める。
①直近20投稿のキャンペーン告知比率を実数で数える
最初にやることは企画会議ではなく、数えることである。直近20投稿のうち、キャンペーン告知が何本あったかを実数で出す。感覚ではなく実数で出すと、思っていたより多いことがほとんどになる。ここが3割を大きく超えていれば、依存している状態だと判断してよい。
この1本の数字が、このあとの打ち手すべての基準になる。あとで出てくる「販売3割ルール」も、月末の検証も、同じ数え方を繰り返すだけである。
数える単位を20投稿に固定しておくと、月をまたいでも比較できる。投稿頻度が週2本でも毎日でも、直近20本という窓は変わらないので、頻度を変えたときの影響も同じ物差しで追える。
②ネタではなく設計を疑うための5つの確認
数えたうえで、次の5点を順に確認する。ひとつでも「いいえ」があれば、ネタではなく設計の側に原因がある。
| 確認すること | 見ているもの |
|---|---|
| アカウントのテーマ(誰に・何を届けるか)が言語化されているか | 目的の定義 |
| 直近20投稿のうちキャンペーン告知が何割か | 依存の度合い |
| 商品・サービスの使い方を解説した投稿があるか | 商品の見方 |
| お客さま・スタッフの声をコンテンツ化したことがあるか | 人の出し方 |
| 投稿企画の型(コンテンツの柱)が3本以上あるか | 柱の本数 |
抜けている視点は、たいてい2つに集約される。商品を売るものとしか見ていないことと、現場の人を出していないことである。この2つは後の章でそれぞれ扱う。
逆に言えば、この5点がすべて埋まっていてキャンペーンが多いなら、それは依存ではなく意図した設計かもしれない。問題なのは「他に出すものが無いから告知を出している」状態のほうである。埋まっていない項目があるかどうかで、ここを切り分ける。
柱を認知・関係・販売に分ける|3割4割3割の配分
設計の問題だと分かったら、次は柱を分ける。アカウントの役割を認知・関係・販売の3つに分け、それぞれの柱で投稿を回す。この発想が無いと、投稿の目的が常に「買ってもらうこと」になり、結果として告知しか出てこなくなる。
①3つの柱の役割と推奨比率

| 柱 | 役割 | 推奨比率 |
|---|---|---|
| 認知 | まだ知らない人に届ける | 3割 |
| 関係 | 既に知っている人との接点を作る | 4割 |
| 販売 | 買う理由を作る | 3割 |
中心に置くのは販売ではなく関係の4割である。すでに知っている人との接点がいちばん多い状態をつくる。認知と販売が同じ3割なのは、新規に届けることと買う理由を作ることを、同じ重さで扱うという意味になる。
この3つは投稿のジャンル分けではなく、役割の分け方である。同じ商品を扱った投稿でも、まだ知らない人に向けて作れば認知、すでに知っている人との接点を作るなら関係、買う理由を渡すなら販売になる。題材ではなく、誰に向けて何を起こす投稿かで振り分ける。
②来週分のカレンダーを組み直すのは1日で終わる
やることは、来週分の投稿カレンダーをこの比率で組み直すだけである。新しく何かを作る作業ではないので、1日で終わる。すでに動いているアカウントであれば、過去の投稿から流用できる素材も見つかる。
月単位で考え直そうとすると着手が遅れる。コンテンツカレンダーの組み方を整える前に、まず来週の1週間だけを3割4割3割に並べ替える。先に1週間を動かしたほうが、月次の設計も具体的になる。
商品に隠れているネタ|使い方・選び方・裏側・誕生秘話
柱を分けても「関係」や「認知」に入れるものが思いつかない、という詰まり方をすることがある。その多くは、商品を売る対象としてしか見ていないことが原因になる。売る対象として見ている限り、出てくる言葉は毎回「買ってください」になる。
①1つの商品から4つの切り口が出る
| 商品の見方 | 出てくる投稿 |
|---|---|
| 使い方 | 具体的な使いこなし・活用の手順 |
| 選び方 | 迷ったときの判断軸・比較の視点 |
| 裏側 | 作業風景・制作の工程 |
| 誕生秘話 | なぜこの商品を作ったのか |
1つの商品から4つの切り口が出る。商品数が増えれば、そのまま掛け算になる。ネタが無いのではなく、見方が1つしかなかっただけである。
②即日でできるのは、販売告知を使い方リールに変えること
その日のうちに手を付けられるものが1つある。直近の販売告知投稿を1本選び、その商品の使い方を解説するリールを企画することである。
素材はすでに手元にある。撮り直しも仕入れも要らない。切り口を変えるだけなので、企画から公開までの距離がいちばん短い。最初の1本をここに置くと、柱を分けるという話が机上で終わらなくなる。
手を付ける順番も決まっている。4つの切り口のうち、使い方と選び方は読んだ人がそのまま行動に移せるので、関係の柱に入れやすい。裏側と誕生秘話は、知らない人が興味を持つ入り口になりやすいので認知の柱に寄せる。どの切り口をどの柱に入れるかを先に決めておくと、カレンダーを埋める作業が早くなる。
人を出す|スタッフ・お客さま・作り手の声をコンテンツにする
もう1つの抜けている視点が、現場の人を出していないことである。人が動くコンテンツは、人が出ていることが多い。スタッフ・お客さま・作り手の声を出さないと、コンテンツがカタログ化して飽きられていく。
①出す人ごとにコンテンツの形が決まる
| 出す人 | コンテンツの形 |
|---|---|
| スタッフ | 紹介・作業風景の裏側リール |
| お客さま | 許諾済みの声をカルーセル化 |
| 作り手 | 制作の工程・こだわりの説明 |
誰を出すかが決まると、形も自動的に決まる。企画の入り口を「何を投稿するか」ではなく「誰に登場してもらうか」に置き換えると、出すものが見つかりやすくなる。
顔出しが難しい場合でも、手元・作業の動き・声だけで成立する形はある。重要なのは顔が映っていることではなく、そこに人がいると伝わることになる。カタログ化が起きるのは、投稿から人の気配が消えたときである。
②1週間以内に手を付ける3つ
- スタッフ紹介や作業風景の裏側リールを1本作る
- お客さまの声(許諾済み)をカルーセル化して投稿する
- よくある質問TOP5をストーリーズで集めてカルーセル化する
3つ目は、集める工程そのものが投稿になるのが利点になる。ストーリーズで質問を募り、集まった上位5件をカルーセルにする。関係の柱に入る投稿が、ひと続きの流れで2本できる。
ひとつだけ外せない条件がある。お客さまの声を使うときは、必ず事前に許諾を取ること。投稿後に取るのでは順序が逆になる。
柱を5本へ増やす|1ヶ月で広げる手順
3本の柱で来週を回せたら、1ヶ月かけて5本へ広げる。広げる方向はあらかじめ決まっている。思いつきで増やすと本数だけが増えて、運用が重くなる。
①5本の柱と、それぞれの投稿の中身
| 柱 | 投稿の中身 |
|---|---|
| 使い方 | 商品・サービスの具体的な使いこなし |
| 選び方 | 迷ったときの判断軸 |
| お客さまの声 | 許諾済みの実例・変化 |
| スタッフ | 作業風景・裏側・人物紹介 |
| 季節 | 時期に合わせた提案 |
前章までに出てきた切り口が、そのまま柱の名前になっている。新しい発想を足しているのではなく、1つの商品から出た見方を、運用の単位に置き直しているだけである。
②柱ごとにテンプレのカバー・構成・締めを固定する
柱を増やしたあとに効いてくるのが、テンプレの固定である。柱ごとに投稿テンプレのカバー・構成・締めを決めておく。柱が決まっていて型があると、企画の起点が毎回同じになり、考える時間が制作に回せる。
柱の分け方そのものを体系立てて整理したい場合は、投稿4つの柱でネタ切れを防ぐ設計手順もあわせて参照できる。
テンプレを固定すると表現が単調になるのではないか、という懸念が出ることがある。固定するのはカバー・構成・締めの枠であって、中身ではない。枠が決まっているから、毎回ゼロから迷わずに中身だけを考えられる。
③柱を作っても企画が出ないときの見立て
柱を作っても企画が出ない場合、ネタが本当に無いのではなく、アカウントの目的設計が浅い可能性が高い。誰に何を届けるアカウントかが言語化されていないと、柱を3つに分けても中身が入らない。
見分け方は単純である。柱の名前は書けるのに、その柱で3本の企画が出てこない。この状態は柱の問題ではなく、届ける相手が定まっていない状態になる。柱を増やしても埋まらないので、アカウントのコンセプトとペルソナの設計に戻る。投稿カテゴリの作り方を整理し直すのは、そのあとになる。
販売3割ルールの回し方|1ヶ月続ける理由
柱が揃ったら、運用のルールを1つだけ決める。販売告知投稿の比率を全体の30%以下に抑える。これを1ヶ月続ける。これが販売3割ルールになる。
①数字が落ちても、落ちたまま続ける
この期間、エンゲージメントは一時的に落ちる可能性がある。落ちてよい。告知に反応していた層の反応が減るのは、設計を変えた以上は起きることである。
問題は、数字が落ちた瞬間に元へ戻してしまうことにある。戻せば数字は戻るが、依存の構造は何も変わらない。翌月も同じ場所で同じ判断を迫られる。1ヶ月続け、3ヶ月で判定する。短期のエンゲージメント低下を理由にキャンペーンへ戻さない、とあらかじめ決めておく。
この「戻さない」を個人の我慢に委ねないことが要点になる。1ヶ月は続ける、判定は3ヶ月目に行う、という期間を先に関係者と合意しておく。合意が無いまま始めると、数字が落ちた週の会議で必ず差し戻しの話が出る。3ヶ月でフォロワーの質が変わる、という前提を共有しておく。
②1ヶ月のあいだ回す運用サイクル
- 直近20投稿のキャンペーン告知比率を実数で数えているか
- 投稿カレンダーを販売3割・関係4割・認知3割で組んでいるか
- コンテンツの柱を使い方・選び方・お客さまの声・スタッフ・季節の5本まで広げているか
- 柱ごとに投稿テンプレ(カバー・構成・締め)を固定しているか
- お客さまの声を使う際、許諾を必ず取っているか
- 月末に販売告知投稿の比率が30%以下に収まったか検証しているか
毎週この6点を見る。項目を増やさないほうが続く。
判定に使う4指標と、やってはいけない代替行動
うまくいっているかどうかは感覚では分からない。4つの数字で見る。
①4つの数字で見る

| 指標 | 改善の目安 |
|---|---|
| 販売告知投稿の比率 | 全体の30%以下 |
| 保存率(販売以外の投稿) | 平均3%以上 |
| プロフィールアクセス数 | 1ヶ月で1.5倍 |
| コメント数(販売以外の投稿) | 投稿あたり5件以上 |
見るべき中心は販売以外の投稿の保存率とコメント数になる。ここが動いていれば、柱の設計は機能している。動いていなければ、柱を増やしただけで中身が薄いということになる。柱の本数ではなく、1本ごとの中身を見直す。
4つのうち、販売告知投稿の比率だけは行動の指標で、残る3つは結果の指標になる。比率は自分で決められるので、まずここを30%以下に固定する。そのうえで保存率・プロフィールアクセス数・コメント数が動くかを見る。行動と結果を混ぜて平均すると、何が効いたのか分からなくなる。
②やってはいけない代替行動
ネタ切れを焦って手を出すと逆効果になる行動がある。
- 流行りのネタに飛びついてアカウントの世界観を崩す
- 競合の投稿を表面だけ真似て、誰の役にも立たない投稿を量産する
- 毎日投稿のノルマを優先して、薄い情報を出し続ける
- とりあえず商品写真を貼って、テーマがブレる
いずれも、柱を作らずに本数だけ埋めようとしたときに出る行動である。埋めるより、設計するほうが早い。
③月末の検証と、守れていないときの見直し方
1ヶ月かけてやることの締めが検証になる。月末に、キャンペーン投稿の比率を3割以下に抑えられたかを確認する。
守れていない場合、原因は柱の不足ではなく運用の緩みである。カレンダーを組んだあとで、急遽キャンペーン投稿を差し込んでいないか。1本ずつ反省するのではなく、差し込みが発生する構造そのものを見直す。誰が、どの段階で、何を理由に差し込めるのか。そこに歯止めが無ければ、翌月も同じことが起きる。
よくある質問
①キャンペーン以外に何を出せばよいか分からない
柱を5本用意する。使い方・選び方・お客さまの声・スタッフ・季節である。ネタが無いのではなく、販売以外の柱を設計していないだけのケースがほとんどになる。
②キャンペーンを減らすとエンゲージメントが落ちないか
一時的には落ちる。それでも販売3割ルールを1ヶ月続ける。3ヶ月でフォロワーの質が変わる。落ちた時点で戻すと、依存の構造は何も変わらない。
③販売告知はどこまで減らすべきか
全体の30%以下である。来週分のカレンダーを販売3割・関係4割・認知3割で組み直す。月末に比率を検証し、守れていなければ差し込みが起きる構造を見直す。
④うまくいっているかはどう判定するか
販売以外の投稿の保存率が平均3%以上、コメント数が投稿あたり5件以上、プロフィールアクセス数が1ヶ月で1.5倍。この3つが動いていれば、柱の設計は機能している。