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インフルエンサーマーケティングの5つの課題と解決策!成功への実践的アプローチ
最終更新日 2025年7月2日(Wed)
記事作成日 2025年7月2日(Wed)
インフルエンサーマーケティングは多くの成功事例が報告されていますが、実際には
「期待した効果が得られなかった」
「リスクを懸念して導入を躊躇している」
といった声も少なくありません。
実際、インフルエンサーマーケティングは簡単なものではなく、デメリットがいくつも存在します。
ですが、安心してください。本記事では、現場でよく起きる5つの典型的なデメリットと、それを乗り越えるための実践的な対策を徹底解説します。
これから施策を始めたい方も、いま改善に悩んでいる方も、インフルエンサーマーケティングを「やってよかった」と言えるために、まずはリアルな課題と向き合ってみませんか?
目次
インフルエンサーマーケティングの5つのデメリット
インフルエンサーマーケティングに挑戦したけれど「やってみたけど思ったほど効果が出なかった」「炎上やリーチの低下に悩んだ」と、課題を感じるケースが少なくありません。
ここでは、現場でよく問題視される5つの典型的なデメリットを紹介します。
1.フォロワーがPR疲れを起こしている
頻繁にPR投稿を行うインフルエンサーに対して、フォロワーが「宣伝ばかり」と感じることがあります。
その結果、エンゲージメントが低下し、アルゴリズム上の表示優先度も下がる可能性があります。悪循環に陥ったインフルエンサーにPRを依頼しても、本来届けたい層になかなかリーチしません。
2.インフルエンサーの選定が難しい
インフルエンサーのフォロワー層が企業のターゲットとうまく一致するとは限りません。たとえばナイトブラを美女インフルエンサーに依頼したところ、投稿に反応したのは美女の見た目に惹かれた男性ばかり。女性向けの商品なので購買層にはPRがほとんど届かなかった、という失敗は典型例です。
また、ブランド理念の理解力や法令遵守への意識は個人差が大きいでしょう。
3.効果を評価しにくい
リスティング広告では、ユーザーが買う直前で最後にクリックしたリンク(ラストクリック)だけを、成果として数えます。
一方でインフルエンサーによるSNS投稿は、買う前のきっかけ作りの段階から効きます。
- 知る(認知)
→動画や写真で商品の存在を初めて知る - 気になる(検討)
投稿内容をよく読んで「ちょっと良さそう」と思う - 買う(購買)
→インフルエンサー用のリンクだけでなく、店舗やECサイトからも買われる
問題は、①②でユーザーの心が動いたとしても数字が現れないこと。さらに③では、計測用リンク以外からの購入は施策の成果として追えません。
4.クリエイティブの校正やマネジメントが必要
炎上や行政指導のリスクを回避するために、企業側でインフルエンサーが作ったクリエイティブをよくチェックする必要があります。
インフルエンサーによっては、薬機法や景品表示法、ステマ規制に対応したクリエイティブを作れません。多くのインフルエンサーはPRの教育を受けているわけではないからです。自分の言葉を伝えることは得意でも、法律に沿った表現には慣れていないのが実情です。
企業側に十分な知識や体制があれば正確に確認できますが、対応の余裕がないと校正・マネジメントが負担となってしまうでしょう。
5.コンテンツの資産化が難しい
インフルエンサーによる投稿は、タイムラインやおすすめ欄、ストーリーズなどで表示されますが、反応が集まる期間は比較的短く、盛り上がりは数日で落ち着くことが多い印象です。特にInstagramのストーリーズは、最大24時間までしか表示できません。
検索で継続的に閲覧される記事や動画と比べて長期的に見られるケースは少ないでしょう。
デメリットを超える!インフルエンサーマーケティングのメリット
インフルエンサーマーケティングの真価は「ただ認知を広げる施策」ではなく、ユーザーに共感してもらって動かし、巻き込む仕組みとして機能する点にあります。
1.体験ベースの発信が信頼・共感となる
インフルエンサーの強みは、使ってみたリアルを自分の言葉でを語れること。
広告や企業発信では伝えきれない、生活感や使用感、率直なリアクションを含んだリアルボイスは、フォロワーにとって信頼できる情報源となります。
たとえば「朝の5分で肌が整うスキンケア」と言われても、それだけではピンとこない人もいます。しかし、インフルエンサーの投稿でこんなストーリーが語られていたらどうでしょうか?
保育園の準備でバタバタな朝。子どもに朝ごはんを出して、自分の顔を見る余裕なんてない。
でもこのオールインワンなら、洗顔後に1回つけるだけで保湿も下地も完了。
メイク5分で出発OK。
肌荒れも落ち着いてきた。最近は子育て中心で自分を労われてなかったけど、ようやく自分が喜ぶことをしてあげられた!
「時短」や「自分を満たしてあげた経験」といった要素がリアルに語られると、同じような状況にいる人は思わず共感するでしょう。
2.二次的なユーザー投稿を生み出せる
インフルエンサーの投稿は、ただ情報を拡げるだけではありません。
「自分も試したい」「これよかった!」と心動いたユーザーが、二次・三次のユーザー投稿(UGC)を生み出すことがあります。
広告のように「出稿をやめたら終わり」ではなく、共感が共感を読んでユーザー投稿が自走的に増えていくのです。
しかも、その拡散は「信頼された友人の体験談」レベルで伝播するため、内容が劣化せず、むしろ熱を持ったまま届くのが特徴です。
ユーザー投稿では「こういう時に助かった」「これ使ってから朝が楽になった」と体験込みのストーリーが添えられやすく、見た人にもさらに共感されます。
情報がただ広がるだけでなく、人の温度感ごと次の人に渡っていくのが特徴です。
3.インフルエンサーは小さなコミュニティを持っている
インフルエンサーの周囲には、同じ価値観を持ったフォロワーが集まり、小さな集団(コミュニティ)となっています。
コミュニティに属する人たちは、ただ投稿を見ているだけではなく、投稿に反応し、ときに自身も似た体験をシェアする参加者として動く存在。
この構造により、企業はインフルエンサー1人に何かを伝えるだけで、その周りのコミュニティにまで自然と広められるのです。
インフルエンサーマーケティングのデメリットを乗り越える3つの対策
インフルエンサーマーケティングに課題があるのは事実。しかし、その理由を理解することで、施策の効果は大きく変わります。
ここでは、「PR感が強すぎる」「効果が数字に出ない」「投稿が一過性で終わる」といったよくある悩みに対し、すぐに実行できる具体的な3つの対策を紹介します。
インフルエンサーマーケティングの質を高めるヒントとして、ぜひご参考ください。
1.インフルエンサーの個性を活かして自然な投稿を頼む
いかにもPRらしい投稿が続くと、フォロワーからの関心は下がります。
重要なのは、PRに見えない自然なクリエイティブを作ること。
たとえば「自分の変化」「困っていたことへのリアルな解決」など、体験ベースの構成にすることで、広告感を抑えつつメッセージを伝えられます。
さらに、インフルエンサー本人の言葉で語ってもらう余白を残すことも重要です。一方的に「これを言ってください」と指示するのではなく、なるべく本人の言葉・思いをクリエイティブに盛り込んでもらうことで、インフルエンサーも無理なく表現しやすくなります。
2. 「直接CV」だけでなく「アシストCV」も評価する
インフルエンサーの投稿が、ユーザーが購入を決めるラストクリックにならないこともあります。「ちょっと気になるかも」と思わせるきっかけをつくる役割も大きいです。
ですが「気になった」という気持ちは、数字としては見えません。
- 投稿前後で、商品名の指名検索やサイト訪問者数の変化をチェックする
- 購入理由のアンケートで「誰の投稿を見たか」を把握する
- UGCの数と内容(商品を知った、気になるなど購買に至っていない声も含む)
このように、直接的な購買行動だけでなく、商品名の検索数やサイト訪問者数の変化、UGCの増加など、間接的な効果も評価対象とすることで、施策の全体的な効果を把握できます。
可能であれば、PR投稿後にインフルエンサーに届いたコメントやDMを教えてもらい、ユーザーの行動変容を知れるとさらに参考になります。
3. 二次利用の許諾をとる
インフルエンサーの投稿は、SNS上ではどうしても寿命が短く、ストーリーズなら24時間、通常投稿でも数日でタイムラインから流れてしまいます。
そこで重要なのが、事前に「二次利用の許諾」をとっておくこと。インフルエンサーが作成した投稿を、次のように様々な場所で活用できるようにしておきましょう。
- オウンドメディアの記事
- LP
- 広告バナー
- 店頭POP
ただし、投稿文章・画像・動画の著作権は原則としてインフルエンサーに帰属します。勝手に流用や編集をすると、著作権侵害となるので注意しましょう。
【契約で二次利用について触れる際の例文】
第◯条(投稿コンテンツの利用)
本件投稿に含まれる文章、画像、動画その他一切のコンテンツ(以下「投稿コンテンツ」という)は、インフルエンサーの許諾のもと制作されるものであり、甲(企業)は、乙(インフルエンサー)に対して、投稿コンテンツを以下の用途で二次利用することを許諾するものとする。
(1)自社のオウンドメディア・ECサイトへの掲載
(2)広告素材(バナー、LP、SNS広告等)としての使用
(3)店頭POP、パンフレット、プレゼン資料等への活用
利用期間:投稿公開日から◯年間
利用方法:上記用途に限り、加工・編集を伴う使用も可とする。ただし、投稿者の意図を著しく損なわない範囲とする。
デメリットを理解した先にある、インフルエンサーマーケティングの本質的な活かし方
インフルエンサーマーケティングをうまく活用するためには、テクニック面だけでなく「本質的な改善のヒント」も押さえておきましょう。
1.インフルエンサーは「パートナー」
インフルエンサーを単なる広告媒体としてとらえるだけでは、投稿の質も共感も伸びません。
フォロワーとの信頼関係を築いてきたインフルエンサーは、もはやただの発信者ではなく、「企業とユーザーをつなぐ架け橋」です。
インフルエンサーは、自分の言葉で語るからこそ信頼されており、声のリアルさや熱量にマーケティングの可能性が宿っています。
- 企業にとっては、売り込み感のない自然な投稿を広められる
- インフルエンサーは、発信軸を守りながらのPRで信頼を維持できる
このように双方向で良いことづくしのパートナーになれるよう、インフルエンサーと関係を築いていきましょう。
2.インフルエンサーの視点を理解する
多くのインフルエンサーは、「フォロワーを増やしたい」と同時に「減らしたくない」という考えも持っています。
だからこそ、無理な商品紹介や自身の世界観とのマッチ度にはとても敏感です。「これ、普段の自分っぽくない」「これ載せたら信頼が下がるかも」と感じれば、投稿に気持ちが入りません。
インフルエンサーの発信力は、フォロワーからの信頼を守りたいという意識によって支えられています。
「なぜこの商品を届けたいのか」「どんな人にどんな価値を届けたいのか」という想いをインフルエンサーに丁寧に共有し、自分ごと化してもらうことが大切です。
3.自分ごと化でパートナー関係を強化する方法
インフルエンサーとパートナー関係を築くには、その人自身が「伝えたい」と思える状態(=自分ごと化)まで引き上げる必要があります。
そこでリデルでは、企業に特に興味を持ってくれているインフルエンサー(コアファン)と距離を縮めるための「5Value」という独自の自分ごと化フレームワークを採用しています。
- Connect(繋がり)
コアファンを作るために、熱量の高いユーザーと深い関係を構築 - Interact(交流)
メンバーと交流を深め、接触頻度を高める - Share(共有)
特に接触を重ねた熱心なユーザーから「私はこう思う」とアイデアを引き出す - Empathy(共感)
アイデアに対し、ユーザーや運営が共感・感情移入する状況を作る - Vision(目的)
アイディアを実現しようと、ユーザーと運営の間に共通の目的意識が生まれ「自分ごと化」に
「5Value」の前提知識や詳細なノウハウは、関連記事「共創マーケティングとは何か?新たなニーズを生み出すコミュニティの活用方法」でもご紹介しています。
インフルエンサーマーケティングの事例で解消に成功した3つのデメリット
集英社のインフルエンサーマーケティング施策を例に、どのようなデメリットを解消したのか紹介します。
【事例の詳細はこちら】
<熱量のある一冊へ>集英社がインフルエンサーと共に描く、新たな読者との出会い
1.インフルエンサーの選定が難しい
この施策では、PR対象となる文芸作品の世界観やテーマに共感したインフルエンサーを、公募制で集め、応募時の意気込みや背景を見て企業側が選定するという方法が取られました。単にフォロワー数が多い人を起用するのではなく、「なぜ紹介したいのか」「どんな届け方ができるのか」といった熱量まで含めて審査。
応募動機を持っている時点で、インフルエンサー自身が投稿に自分ごと感を持っています。そのため、企業が指定しなくても、インフルエンサーたちは感情のこもった言葉で発信してくれました。
2. 効果を評価しにくい
インフルエンサー投稿の成果は、クリックや購入といった「ラストクリック」だけでは評価しづらい面があります。しかしこの施策では、保存数(ブックマーク)という興味・共感の証拠を計測しました。1投稿で2,300件を超える保存が得られるなど、明確な数値で成果を可視化しています。
さらに、応募文の内容や熱量、投稿後のコメントでの反響など、定性面からも効果を測定しており、「数字にしづらい部分をどう評価するか」という課題へのヒントになっています。
3. コンテンツの資産化が難しい
インフルエンサー投稿は一般的に「見かけた瞬間の流し見で終わるコンテンツ」と見られがち。一方で今回のように読者の感情に訴えるストーリー性を持った投稿設計がなされていると、投稿自体が長く残ります。
実際、保存数が多い=「あとでもう一度見たい」と思われた証拠であり、一瞬の消費で終わらない、再訪可能性のある投稿となりました。
さらに、ブランド側がその投稿を二次活用できるよう設計すれば、オウンドメディアや広告素材としての資産化も可能です。
まとめ
インフルエンサーマーケティングのデメリットは、本質を知れば対策できることばかり。
重要なのは、フォロワー数などの数字に頼るのではなく、「誰に・何を・なぜ届けたいのか」を深く掘り下げてインフルエンサーに共有し、「自分ごと」として熱量高く協力してもらうことです。
するとただの宣伝ではなく、ユーザーの共感を呼び起こす質の高いマーケティングへと進化します。
ただ、社内の知識や限りあるリソースでは「2回目以降のPRに続かない」などお悩みも出てくると思います。そんなときはぜひ一度リデルにご相談ください。
依頼先の選定から施策運用・振り返りまで、マーケティング根本から支えるパートナーとして、貴社とインフルエンサーの関係構築をお手伝いをします。
ぜひ、リデルと一緒に「投稿する」だけで終わらない、「共感を生む」インフルエンサーマーケティングを実現していきましょう。
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